初開催!「かたりば読書会」
かたりば代表の河村です。
今回は、先日記念すべき初開催となった「かたりば読書会」というイベントについて、報告したいと思います。
読書会とは、読書または読書に関するコミュニケーションを行うイベントです。
ルールは事前に本を読んで参加すること(途中まででもOK)。
目的は参加者の多様な意見から視点を広げ理解を深めること、自分の意見をアウトプットすることで理解を深めること。
アウトプットをすることが前提なので、本の読み方が変わるのもメリットだと思います。
今回のテーマ本は「穏やかな死に医療はいらない/萬田緑平 著」でした。
本を通じての感想としては、
・看取りでどんな言葉を患者本人にかけていいかわからないと悩む家族に、「さよなら、ありがとう」と送ってあげてください。という文章があり、声を掛けたい気持ちは共感するがリハビリの立場では伝えにくい。
・施設や病院で勤務していた時は、最期に近づくにつれてリハ職は関わりが少なくなっていたが、在宅での関わりはそれとは逆に心の距離が近くなる、関係が濃くなると感じた。
・胃瘻や抗がん剤などの積極的な治療も、本当に本人や家族が欲しているのか疑問を持ち看護師と議論することがある。家族から見ても苦しそうと感じることもあり主治医にも相談するが、家族も回復に希望を持っているケースではなかなか思うように上手に痩せていくことが難しいケースもある。
といった感じでした。
本を通じて学びがあった点としては、
・訪問療法士として今後必要なことは、リハビリ場面での評価や関わりで気付いた点を情報として主治医にどう伝える必要があるか、工夫や努力が必要になる。
・訪問療法士が医師から信頼を得るためのコミュニケーションを取れるよう、紙面でのやりとりだけでなく直接往診に立ち会う等の個別的なプラスアルファが必要かもしれない。
・ACP(Advance Care Planning)については、主治医や訪問看護師に任せるのではなく、普段サービスの中で会話をする機会が多いリハ職が、何気ない会話の中から本人や家族の本心を聞き取り、チームで共有する役割もあるのではないか。
といった感じになりました。
また、「自分の両親など身近な人のACP」の話題にもなり、両親が県外にいて離れて生活している場合、住居を決めるタイミングで将来について話すことがあり、医療従事者である私達自身も面と向かってACPをするのはハードルが高いと感じているため、日々のコミュニケーションから話せるタイミングがあるか意識しておくことが重要だと、自分事として気付くことができました。
ちなみに、今回のテーマである「穏やかな死に医療はいらない」について、私なりの解釈としては、
穏やかな死にももちろん医療、医療従事者は必要ですが、穏やかな死とは?を考えて患者、家族と向き合う姿勢や努力は欠かせないと思います。
そこに、ACPが社会的にもっと普及されていく必要があるように感じました。
今回は、初開催となった「かたりば読書会」の報告をさせていただきました。
在宅での終末期医療について書かれた本をテーマに、普段の研修会よりも深く意見を話し合うことにより、参加者同士の視点を共有できたことが良かったです。
今後も共通の本を読み感想をシェアする機会や、それぞれが興味を持った研究論文や文献をかたりばメンバーにシェアする機会を設けるのも面白そうだという意見もありましたので、不定期ですがゆるく続けていきたいと思います。
次回の開催が楽しみです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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